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help リーダーに追加 RSS 『遠回りが近道』〜【1050】

<<   作成日時 : 2008/08/28 05:42   >>

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台湾の馬総統体制が昨日スタートした。台湾の政治を知る立場にはないが、政権交代を実現した事実により民主主義が機能しているという事を、本ブログでも総統選決着後に取り上げた。国民党が8年ぶりに政権を奪還した事になる。
新聞記事の域を出ないが、台湾の政治体制について少し触れておきます。現在の台湾住民2,100万人のうち、ごく少数の原住民を除けば、圧倒的多数は明朝以降の大陸からの移民の子孫となっている。
かれらは「内省人」と呼ばれ、国民党とその子孫である「外省人」と区別されている。日本の敗戦後、蒋介石の率いる国民党軍が毛沢東の率いる共産党軍に追われて、台湾・澎湖島と周辺の小島に逃げ込み、それが台湾の現状に繋がっている。
日本の支配から内省人を解放する筈の国民党政権は、逆に内省人を徹底的に抑圧した。日本ではあまり話題にならなかったが、1947年2月28日に些細な事件から台湾全土に広がった“2・28蜂起”は、国民党支配に対する内省人の怒り不満を契機とするものであり、自治拡大の要求を高めていった。
これに対して国民党政権は軍隊も出動させる大弾圧を行い、土着の知識層や指導者を含む5千人もの犠牲者が出たと言われる。しかも、戒厳令を敷いて憲法を停止し、国民党以外の政党活動を禁止した。
従って、台湾で民主主義が機能し始めるのは、蒋介石・蒋経国親子の死後、李登輝の指導の下に統治体制が徐々に改められ、住民による議会と総統の直接選挙が実施されるようになってからである。
8年前に民進党・陳水扁全総統が誕生し新展開が期待されたが、少数政党の悲哀で実績が上がらず第1期途中から急進路線に転向し、第2期目に目立った腐敗のまん延で政権そのものを失う事になった。
今回、台湾政治史上2回目の政権交代となった訳である。私は蒋介石、妻の宋美麗、息子の経国と言った名前は生前を知っている世代であり、李登輝も記憶に新しい総統というイメージなので、民主主義が機能してからの時間経過は長くないのである。
民主性が独裁制と本質的に異なるのは、住民が政府の政策を批判し、それを変える事が出来る、そして政府が政策を変えない場合には、政府そのもを変える事が出来る、しかもそれを平和的な手段で出来る点にあると言える。その意味で台湾では民主主義が機能しているという証左である。
昨日のオリーブニュースのLサイドに民主主義の観点で日本の政治体制を俯瞰しながら問題点を指摘しているので、これを台湾の民主主義と比較しながら参考にしたい。旨く整理された論調は、腹にストッと落ちる。

『オリーブニュース 【Lサイド : いろいろな民主主義】(5月20日付)
イギリスのチャーチル元首相が、「民主主義は最悪の政治形態であると言える。ただし、これまで試されてきたいかなる政治制度を除けば」と言った。そのチャーチルが今の日本を見たらは何と言うだろう。
「民主主義は最悪の政治形態であると言える。もし、民主主義を理解していない国民がその形を真似たら」、と言うのではないか。
現在、朝鮮半島の北半分には、北朝鮮民主主義共和国と「民主主義」の文字が入っている政権が存在する。だがこの「民主主義」とチャーチルが言う「民主主義」とは違うと誰もが思うだろう。
同様に自民党の唱える「民主主義」も違う。「民主主義」とは時間をかけ議論をし、少数意見を尊重する。それゆえ「民主主義とは時間がかかるものだ」と言われる。だが、自民党は「民主主義とは多数決だ」と考えている。
小泉内閣が、参院で否決された郵政民営化法案を衆院で再可決する目的で、衆院を解散した。その結果、再可決に必要な三分の二の議席を、自公両党が獲得した。
この選挙で国民は、郵政民営化法案以外すべての法律に、憲法第59条第2項の適用を認めた訳ではない。そのような意識もなかっただろう。処が、自民党は「民主主義とは多数決だ」として、三分の二の議席を使い強行採決を繰り返している。
ある問題に関し100人に賛否を問い、その結果が99対1の場合と51対49場合とで、対応が異なるのが民主主義である。処が、今の自民党は、自民党の言い分だけを、全て多数決で押し切っている。
国民の60%以上が反対する暫定税率復活を再可決するなら、国民に説明し対策を講じる。一般財源化と矛盾する道路整備財源特例法改正案を再可決するなら、その矛盾を解決してから行う。これが民主主義である。
国民も今一度「民主主義」の意味を考え直すことだ。民主主義とは多数決ではない。多数決は民主主義を具現する一つの手段に過ぎない。民主主義とは、国民が主権者であり、主権者である国民が、選挙で政権を選択することである。
従って国民による選挙の洗礼を受けていない内閣が、マニフェストに掲げてなく、しかも国民の過半数以上の反対を押し切って、国会に提案・採決することは民主主義に反する。
最近の世論調査の結果、依然として自民党支持者が20数%いる。福田内閣の支持率は20%を下回ったが、支持する理由の40%(全体の8%)は、自民党内閣だからだと言う。彼らは盲目的な自民党支持者なのだろう。
そこでふと思ったのは、日本人は「言霊」を信ずるとか、潜在意識の中に「言霊」信仰がある、と言う話である。その潜在意識の強い人達が「自由民主党」と言う名前に誑かされているのだろうと。
彼らは、国民に自由を与え、民主的な政治を行う政党だ、と勝手に思い込んでいるのに違いない。長年同じ志で政治に取り組んでいた同志を、郵政民営化に反対しただけで除名し、刺客を差し向けるような異常行為を行う政党である。
冷静に考えれば、このような政党に、言論の自由、思想の自由もないし、民主的な考えも無い。あるのは多数決の論理だけである。そいうことは、すぐ分かるはずだ。
多くの国民は、ねじれ国会により、自公政権と官僚の無責任ともいえる税金の無駄遣いを知った。さらに暫定税率問題、後期高齢者医療制度問題などに直面し、自公政権の施策に疑問を持った。
おそらく郵政選挙で賛成票を投じ、今になって「しまった」と臍を噛んでいる人は、結構多いだろう。そう云う人達は、今一度「民主主義」と政権交代について真剣に考えて欲しいものである。
こういうと政権担当能力のある第二党がないとか、民主党は頼りないとか言う。それなら、849兆円の借金を作り、その総括もなしに59兆円も道路を造ろうとする政党が、本当に政権担当能力があると断言できるのかだ。
米国政府は、民主主義の原則として、「民主主義政府は、国民に奉仕するために存在する」と掲げている。今の政府与党は「国民に奉仕するための存在」と言えるだろうか。冷静に考えてみよう。』

                   (5月21日)

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